いつもとなりにはコーヒーがあった

朝ごはんの時、仕事中、友達とカフェでおしゃべりをする時…
生活の中のあらゆる場面で登場するコーヒーは私たちの暮らしの「名脇役」ともいえるでしょう。
さまざまな人の「となりのコーヒー」にまつわるストーリーを伺うシリーズ。
まずはSPROUTのスタッフから好みのコーヒーと合わせてご紹介します。

#4 [ GOOD COFFEE ON THE MOUNTAINEERING ]
「ULC (Ultra Light Coffee)」
Photo/Text : Yoshi

 
 
 コーヒー好きな人が山へ行って、山で美味しいコーヒーを飲みたいと思うことは当然のこと。
 しかし山で美味しいコーヒーを淹れるにはどんな器具が必要なのか?コーヒーを淹れる器具は大きくて重い?必要か必要でないかの取捨選択で、早い段階で削られてしまうコーヒーですが、美味しいコーヒーは栄養やエネルギーとは違った、やる気やリラックスといった心にポジティブなスイッチを入れてくれるものです。
 そこで今回は、番外編としてSPROUTが実際に山で美味しくコーヒーを淹れている道具たちをご紹介します。
 
 

 

 山で迎える朝靄の中、お湯を沸かす。豆を挽く。ゆっくりドリップする。最初の一口目の美味しさは何物にも代え難く、最高に贅沢な時間です。
 山でコーヒーを飲むのに必要なものを整理すると、コーヒーはそもそもお湯とコーヒー豆だけなので、お湯を沸かす道具とコーヒーさえあればコーヒーはできてしまいます。しかし、美味しく飲むにはやはり「グラインド」と「抽出」という行為が必要になってきます。「グラインド」とはコーヒー豆を細かい粉に挽くこと。挽きたてがもっとも香りが良く味わいも豊かになります。また「抽出」にはたくさんの方法がありますが、山でのお勧めはペーパードリップという方法です。その理由は、「シンプル」なこと。粉とお湯の量を合わせて注ぐだけで出来上がり、抽出した後の片付けもペーパーを捨てるだけです。以上のことを整理すると、美味しいコーヒーを山で淹れるには①お湯を沸かす「ストーブ」、②お湯を注ぐ「ケトル」、③コーヒー豆を挽く「コーヒーミル」、④ドリップするための「ドリッパーとペーパー」、⑤淹れたコーヒーを受ける「サーバー」の5点が必要になるということになります。
 これらすべてを家やお店で使用しているものにすると、それだけで山に持っていくバックパックはいっぱいになってしまいます。そこでハイキングでも通じているUL(ウルトラライト)の方法がコーヒーでも活かされます。
 

 

 まずは実際に一般的な外でも使えるコーヒー器具のそれぞれの重さを測ってみます。①ストーブ+ガス缶500g、②ケトル420g、③コーヒーミル260g、④ドリッパー100g、⑤サーバー+タンブラー520g、合計すると1800g、1,8kgにもなります。
 全体で見るとコーヒーグッズと一括りのものでも、一つ一つのものが集まったもの。その一つ一つを見直してみると、例えば①ストーブ+ガス缶は、一回のお湯を沸かすのにガスストーブだと早い代わりに大きくて重いことに加え、ガスは缶で持っていかなくてはいけないので必要以上に持っていかなくてはいけません。②ケトルは山に持っていくには重くて大きいです。③コーヒーミルは小さいと豆を入れる容量も小さくなってしまうため何度も繰り返さないといけなくなるのと、小さくしても刃の大きさは変わらないので重さはあまり変わりません。④ドリッパーは重さのわりに意外とかさばります。⑤サーバーにコーヒーを落としタンブラーに注ぐという行為自体をシンプルできそうです。
 そして見直したそれぞれの道具を工夫し替えていきます。
①ストーブはガスストーブからアルコールストーブに変更します。ストーブ自体がコンパクトなことと燃料をお湯を沸かす分だけ持っていけるという利点があります。②ケトルは軽くて小さいものに。③グラインダーは替えずにそのまま。④ドリッパーは軽くて収納時はカードサイズにもなるコンパクトなmunieqのTetraDripに。⑤サーバーは保温性のフタ付きタンブラーを使えば淹れたコーヒーを持ち運びもできます。
 改善後の一つ一つの重さを測ってみると①EVERNEWアルコールストーブ(35g)に五徳と風防を備えたmunieq X-mesh(15g)、②ケトル アルミ製ケトル(200g)、③ポーレックコーヒーミル(260g)、④munieq TetraDrip(50g)、ボトルはKleenKanteenの500ml(300g)。合計すると860gです。改善前と約1kgも軽くなりました。
 

 

 「860gでお店で飲むのと変わらない美味しいコーヒーが山の上でも飲むことができる」
 1泊2日の山行の場合、山の道具自体をシンプルに軽量化することでバックパックの容量にかなりの余裕が生まれます。その余白に自分の楽しみを入れて山に行くということは、短期間でのハイキングの楽しみの一つともいえます。荷物が軽く小さくなった分でどう遊びを取り入れるか。スキーやランニング道具、ギターや太鼓などの楽器を持っていくのと同じ気分で山で美味しいコーヒーを淹れる時間を楽しむことができます。
 山行が3泊4日、1週間、1ヶ月と期間が長くなる場合は、日数が増えていくと行動時間も増えるので800gのコーヒー道具をさらに削らなくてはいけなくなります。また荷物を入れる隙間もなくなってしまい、器具そのものも持っていけなくなります。それでもコーヒーは山には必ず持っていきたいという時には「コーヒーバッグ(12g)」がオススメです。挽きたてのコーヒーを袋に入れているのでお湯さえあれば挽きたての美味しいコーヒーを飲むことができます。しかも、一杯ずつなのでコーヒー豆の産地やカフェインレスのデカフェを選ぶこともでき、ドリップする手間もなく、カップにバッグを入れてお湯を注ぐだけなので器具は一切必要ありません。コーヒー豆を挽く時の音や、ゆっくりドリップする贅沢な時間の流れは器具なしでは味わえませんが、美味しいコーヒーの香りと味わいを感じることができます。しかもコーヒーには脱臭、殺菌作用もあるため、使用済みのバッグでご飯を食べた後の鍋を拭いて油汚れをスッキリさせることもできます。一つのものを工夫次第で様々な用途にも使えるということからも、コーヒーバッグは究極の「ULC(ウルトラライトコーヒー)」ともいえるでしょう。
 

 

 山や旅ではコーヒーは贅沢品かもしれません。しかし、コーヒーを飲むシチュエーションは、時には空に近い山の壮大な景色の中で飲んだり、時には自然の過酷な状況の中の一息だったり、同じ状況は二度とありません。コーヒーは思い出す飲み物です。山や旅先で美味しいコーヒーを飲むと、日常に戻った後もふとした時にその時の光景をきっと思い出します。一杯の美味しいコーヒーが山や旅の中で大きな役割を果たしてくれます。コーヒー道具もそんな大きな役割を果たしていくうちに年季が入り、思い出が積み重なっていくはずです。
 

 

munieq X-mesh (L) 50g ¥3200
munieq Tetra Drip 01S (stainless steel, Small) ¥2800
GSI HALULITE TEA KETTLE ¥5400
GSI HALULITE MINIMALIST¥5720
KleanKanteen16oz ¥5280 (SPROUT ORIGINAL)
SPROUT COFFEE BAG ¥180
SPROUT COFFEE BAG Decaf ¥200
SPROUT COFFEE BEANS ¥756/100g~