最初の奇跡

4年前、伝説のウルトラランナー、スコット・ジュレクがニセコにやってきた。
親しい知人がコロラドのボルダーで「NORTHー北へー」の出版イベントに参加し、その時に本人に直接「日本のNORTHの北海道にも来て!」と話したことがきっかけで実現した。
ニセコに滞在中は倶知安駅の裏にある旭ヶ丘を一緒に走り、ヒラフ周辺を走り、本のトークイベントを行い、参加者みんなで夕食をとるという、今思い返しても夢のような時間だった。
後に聞くと、グループランの後、午後から羊蹄山に登り、下山後にメディアの取材を受け、深夜にに200冊もの本にサインを書き、翌朝コロラドへ帰っていったという。
異次元のスタミナと出会った人の一人一人に声をかけて話す姿勢、父親としての姿にとても感銘を受けた。

きっかけ

そもそもスコット・ジュレクを知ったきっかけは「EAT & RUN」という本からだった。
その本に出会ったのは、山と道がHike Life Commuityで全国ツアーを行った際、鎌倉で松島倫明さんのトークイベントがあり、その時に紹介された野生三部作といわれる書籍「脳を鍛えるには運動しかない」「Born to Run」「GO WILD」がきっかけで、暮らしとトレイルランニングやスキー、カヤックといった自然の中で体を動かすことについての考え方が大きく変わった。その流れで「EAT&RUN」という本に巡り合ったのは必然である。
そのトークイベントの司会がスキー仲間でもあり、兄貴的な存在でもあるヒデちゃんこと豊嶋秀樹さん。

そして、トレイルランニング仲間からその野生三部作をきっかけに親しくなったのが、コロラドのボルダーにて「NORTHー北へー」のイベントに参加していた、冒頭で親しい知人と紹介した栄花真理さん。
人の繋がりでひとつの興味はどんどん深くなり、それを深く掘り下げていくほどその興味は人生を豊かにし、思いもしないことが起こることを知った。

再び起きた奇跡

その日は突然やってきた。
「スコット家族が北海道に行くみたいですよ、会えるといいですね」という真理さんからのメッセージが届いた数日後、「Hello Yoshi!」からはじまるスコットからのメッセージ。

みんなを集めて賑やかに迎えたいという思いの反面、家族のバイクトリップのペースを妨げたくないという思い。約3週間もの期間、自転車とキャンプで過ごし、しかもまだ旅の途中。そこでがんばった子供たちが喜ぶことが一番に考え、僕らの日常を共に過ごした。

庭で遊んで、バーベキューをして、花火をして、自転車で出かけ、小学生のサッカーの試合を観て、川原へ行って、ランチを食べ、温泉に行って、、、。
そんな日常を一緒に過ごした。いつもの当たり前の時間を特別な人たちと過ごすという不思議な時間。

自分の中のスーパーヒーローは友人で、友人はスーパーヒーローである。再び起きた奇跡はそんなふうに思わせてくれ、奇跡は日常となった。

過去の点がつながった

スコット家族のニセコ最終日、東京からゲストがやってきた。
トレイルランニングショップでずっとお世話になっているRun Boys Run Girlsのケイさん、そして、松島倫明さん。野生三部作の生みの親であり、トレイルランニングからライフスタイルにつながり、Camp&Goの構想のひとつのヒントにもなっている。
松島さんが手がけた本、スコットの本に自分がどれだけのパワーをもらい、暮らしのヒントをもらえたかは計り知れない。
そんな二人が今目の前にいる。信じられないことが今目の前で起きている。

何が起こるかなんて絶対に予想できない。
出会った一人一人が誰一人かけても今はない。
それを実感した奇跡だった。
奇跡を日常とできるよう、一日一日を大切に過ごして自分が取り組んでいることに努力をしていきたい。
そして、一人一人の人に感謝の気持ちを持ち続けたい。