グアテマラの旅で訪れたエルウィンさんの農園「Bella Elizabeth」と「Plan de la Vega」が先日開催された国際品評会COE(Cup of Excellence)のOne of a kind部門で1位、2位を獲得しました。
SPROUTではBella Elizabethのお豆を提供させていただいてます。
突然のはじまり
農園主であるエルウィンさん。もともとは祖母のマリアさんが1953年に土地を購入し、その後父親に農園が引き継がれました。
父親が農園を営んでましたが急逝され、突然の出来事であったために農園のノウハウが直接受け継がれることなくてにすることになり、途方に暮れたといいます。
親類に当たるROSMA COFFEE LANDのフレディさんに声をかけられ、ROSMAとの取り組みを始め、スペシャルティコーヒーの生産に着手しました。今では収穫量も増えているのでもっとインフラを整備したいそうです。
ANACAFEカットバックプログラム
ANACAFE(グアテマラ全国コーヒー協会)が推奨するカットバックプログラムにより、エリアごとに3年間で樹を80cmカットバックしています。
新芽を促し生産性の確保・向上が目的で、20年継続した段階で、完全に植え替えられます。スペシャルティコーヒーはこのやり方をして今年の生産量は2倍になったそうです。
渓谷の中の農園
Bella ElizabethとPlan de la Vegaの二つの農園はエイトリバーという川を挟んで向かい合って深い渓谷に位置しており、農園までのアクセスや物資の運搬などは決して便利とは言えません。
祖父の代ではアラメラという名前でやっていてもっと大きかったが、標高の高いところは他の人に売られてしまったそうです。
ひとつの家族のような関係性
農園で働く人たちは12名おり、そのうち5名は通年働いています。
働く人たち、そこにいた子供たちも含めて、みんながひとつの家族のような間柄なのが伝わりました。仕事はすべての役割をみんなで分担してやっています。
農園の設備がある場所には倉庫として小屋が何軒かあり、収穫期はピッカーさんたちが寝泊まりしたり、子供たちが読み書きを学べるようにしています。
訪れた時も子供たちが庭で遊び、小屋から恥ずかしそうに手を振る姿が印象的でした。
きれいに管理された設備
エルウィンさんの農園の設備で印象的だったのは全ての設備がとてもきれいな状態だったこと。
もう長い年月使われているだろうウェットミルや発酵槽、水路、どれもゴミひとつ落ちていませんでした。
それは働く人への配慮だったり、収穫されたコーヒーチェリーの扱いにも表れているのだと感じました。
また、使用水の処理タンクがあったり、ミューシレージを土に戻す設備があったり、環境への配慮にも取り組んでいます。
試行錯誤
最近の取り組みとしては、働いている人たちが肥料を撒きやすく、また掃除や管理がしやすいように植樹感覚を調整しています。新しく植える場所ではさらに水が均等に行き渡るように工夫しています。
川があるけれど乾燥しているのがこの場所の特徴で、灌漑設備にも取り組んでいます。
しかし、なかなかすべてがうまくいっているわけではなく、灌漑設備の試みはホースが弱く、途中で破断してしまい、水が全体へ行き渡らず、大きく失敗してしまったそうです。
伝えたい思い
今回のグアテマラでの農園訪問中、エルウィンさんは最初から最後まで同行してくれました。
毎日ご飯を一緒に食べ、お酒を飲みお話をさせていただきました。明るくその場を楽しませてくれるエルウィンさんですが、自身の農園を案内してくれた時はとても真剣に一生懸命に取り組みなどを説明してくれました。
「灌漑設備はまたやり直さないといけない。失敗したところはみなさんには本当は見せたくないけれど、いろいろと挑戦している姿を見せたかった。みんながみんなうまくいっているわけではなく試行錯誤を繰り返しながら取り組んでいる。」
スケジュールが押していて時間がない中、「もう少し、もう少し」と説明を続けてくれた姿は心に響きました。
Elizabethという農園の名前は娘さんの名前から。Bellaはスペイン語で「かわいい」
Bella Elizabethはエルウィンさんの真摯な人柄と愛情がたっぷり注がれているのが伝わります。
Yoshi
Sproutのオーナー
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