写真展
「さんかくらいふ(グアテマラ編)
-コーヒーにまつわる物語を循環させる旅-」
7月25日から8月11日、Camp&GoのWhiteWallRoomにて写真展を開催しました。

コーヒーの栽培から提供までを知る
コーヒー豆の栽培から収穫、生産処理までの一連の流れを展示しました。
コーヒー豆といえど、茶色に焙煎された姿しか見たことがないという人がほとんどです。
コーヒー豆は果実の種。その種から根が出て芽が出て、木になり、花が咲き、実がなって収穫されて。収穫された実は水洗や乾燥など、さまざまな処理をされてコーヒー豆の状態になります。
生産国から日本に届くまでの行程の写真を順番に並べて展示しました。

ひとつひとつの作業に人の手が加わり、私たちの手元に届くまでには、多くの人が関わっているということが感じてもらえたらと思って展示しました。

コーヒーの生産者さんたちののポートレイト
コーヒー農園のオーナーさんや実際に作業している人、その家族たち。また、生産国でコーヒーショップを営んでいる人。生産国でコーヒーに関わっている人々のポートレートを展示しました。
ひとりひとりの笑顔、表情から「幸せとはなんだろう?」という気持ちが生まれてきます。

日本では欲しいものはなんでも手に入り、なんの不自由もなく暮らしている私たち。それでももっともっとと自分を主張し、欲を求めてしまします。コーヒー生産国で出会った人たちはみんな、時にはああだこうだと不安や不満を言うことがありながらも、その時その時を生きている人たちばかり。
ポートレイトの表情からは曇りが一切なく、晴れ晴れとしています。

グアテマラを知る本や物を展示
グアテマラはどこにあるの?
どんな気候で、そんな服を着て、どんな言葉を話すの?
グアテマラという名前は聞いたことはあるけれど、日本にある本や情報も少なく、実際にはなかなかイメージしづらいもの。
グアテマラにまつわる書籍や紙幣、民芸品などを展示し、対面には大きな写真パネルも配置したので、コーヒー生産地の雰囲気が感じられるようなコーナーとして展示しました。

さんかくらいふの物語
WhiteWallRoomのメインの壁には2024年に初めて訪れた際に感じたことから、日本に帰ってきて起こしたアクション、そして2025年に再び訪れた際のことを、物語として展示しました。

コーヒーは出荷されたら生産者さんの元からはなくなってしまいます。けれど、地球の裏側で飲まれて、カタチを変えて戻ってくることで、循環が生まれると思います。
その循環はモノだったり、感動や喜びといった想いだったり、カタチあるものもないものでも、自分たちができることで次に伝えていく。

それはコーヒーに限らず、どんなものにでも言えることだと思います。
どんなものにも物語がある。どんなものにも人が関わっている。
大人にも子供にも、そのことを感じてもらえるような写真展にしたかったのです。

今回の写真展は僕の中でも少しずつ見えてきたことの、ほんの一歩。
これからも活動は続けていきたいと思います。

2024年4月、グアテマラの中でも良質なコーヒーの生産地としても知られるウエウエテナンゴを訪れました。
メキシコとの国境近くの山間にあるウエウエテナンゴは、日本を出発してから2日間かけてようやく辿り着く、まさに地球の裏側にあるような場所。
いま私たちが毎日のように飲んでいるコーヒーは、そんな遠い国からたくさんの人の手を渡り、長い旅を経てやってきています。
「こんなに山奥の自分たちの農園に、遠いアジアの国の人が来るなんて考えてもいなかった。
コーヒーをつくり続けて本当に良かったと思っている。
世界の離れたところで、自分たちのコーヒーが飲まれていて、喜ばれていると思うと、もっともっと頑張りたいと思った。」
ウエウエテナンゴの農園を初めて訪れた際に作業中だったひとりが言った言葉が心に残りました。
私たちは彼らのつくったコーヒーでどれだけ素晴らしい想いをしているか、まだまだ伝えられていない。
コーヒーがあることで人に出会い、世界が広がり、暮らしがどれだけ豊かになったか。
これまでコーヒーに関わってきて、たくさんのそういったシーンを実際に見てきました。
コーヒーは飲んで終わりではありません。
飲み物になり形は消えてしまうけれど、その先の物語を残し、伝えていくこと、返していくことで新たな物語が生まれ、コーヒーは物語として循環していく。
「さんかくらいふ」は物語をつないで循環させていく活動です。
本展では2024年と2025年に訪れたグアテマラ・ウエウエテナンゴの記録を通して「さんかくらいふ」の活動を感じていただけたらと思います。
物語をつないでいくことで、日常のコーヒーがより美味しくなり、暮らしに彩りを加えていくことを信じています。

Yoshi
Sproutのオーナー
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