Camp&Go Home Stay Artist

2月15日から3月13日の間、Camp & Go White Wall Roomに美術作家の佐々木愛さんを迎えてオープンスタジオと展覧会が開催されました。

昨年からアーティストインレジデンスとしてアーティストを招き、アーティストの作品制作だけではなく、迎える側の私たちにも大きな影響を与えてもらえる貴重な時間として、大切な企画の一つとして実施していましたが、今年はCamp&Goで行われるアーティストインレジデンスを、より近い距離感で家に滞在するように過ごし、双方に新しい視点が生まれるようにと、「Camp&Go Home Stay Artist」という名前に変更して行われました。

佐々木愛 オープンスタジオ&展覧会

今回お招きした佐々木愛さんはそんな「Home Stay Artist」としては初めての滞在です。
滞在中はさまざまな人との交流があり、たくさんの場所へ出かけました。

到着時は倶知安駅へお迎えに行き、施設の説明やそれぞれの自己紹介。
当たり前ですが、とっても緊張します。

雪国ならではの体験

学生が実際にアートの世界で活躍する方と時間を共有にして、仕事を肌で感じたり、
新聞社の取材もあり、地域にとって、価値の大きさを感じました。

空き時間ではスノーシューハイキングやクロスカントリースキー、山の中の温泉へと倶知安・ニセコでしか味わえないような場所をご案内し、雪国ならではの自然の厳しさと美しさに触れました。

アートの現場に触れる

私たちにとってもアーティストと過ごす時間はとても新鮮で貴重な体験でした。
作品の制作しているところを間近で見ることができ、実際に絵を描いているところ、色をつけるところ、道具の一つ一つに見入ってしまいます。

書籍などで見ていた作品の原画に触れ、展覧会の設営にも携わることができました。
作品を梱包から出す開梱作業や展示して照明などを調整し、作品を見せる作業。それはお店の空間作りや、見る人と見せる人との視点など、たいへん気づきの多い体験でした。

家族のように

約三週間という短い間でしたが、たくさんの新しい世界を見せていただき、毎日顔を合わせていると家族のようになり、気がつくと会話も日常的なたわいもない会話に。
でも、やはり期間の終わりが近づくと寂しくなるものです。
満足して過ごせただろうか?不都合はなかっただろうか?もっとこうしたかった、あそこに連れて行きたかった、などとあげればキリがないです。

この気持ちはまた訪れてもらいたいという想いに繋がるし、次に滞在する方を歓迎することにも繋がる、とても大切な気持ちです。

風景のように

今回の佐々木愛さんの滞在中、心に残った言葉があります。
新聞社の取材の際に「作品を来場してくれた方にどう伝えたいか、どう見てほしいか」という質問に対して、
「特にないです」と。

「自分は明確な対象があって、それにコンセプトがあってこの絵を描いているけど、見る人にとってはそれは関係ないことです。」

「見る人にとって感じ方が違うし、同じ山の絵でもその人が見たら違う山を想像するかもしれない。それでいいんです。身近な山に似てるからこれが好き、でいいんです。」

「風景のように見てほしいです。」

「風景ってその人によって見方が違うけど、元気になったり、励まされたり、心が落ち着いたりするじゃないですか。そういうふうに見てもらえたら嬉しいです。」

SPROUTのコーヒーもそういう気持ちでありたいと純粋に思いました。
これからSPROUTで提供させてもらっているコーヒーを誰かに伝える際に「風景のように」と伝えることができたなら、それは佐々木愛さんのHome Stay Artistで私たちが何かを得たということにつながるのではないでしょうか。