2009年12月7日。
雪混じりの西風が強く吹き、時々ホワイトアウトにもなるような天気の中、「この子」はやってきた
「この子」との出会い
SPROUTを開業すると決めて、真っ先にコーヒーのことを相談しに行った札幌の横井珈琲の横井さん。そこで紹介していただいたのがDCSの九法さん。
東京板橋区にあるDCSに赴き、実際にマシンと初めての対面。マシンの説明を伺う際、九法さんがマシンのことを「この子」と呼んでいるのがとても印象的でした。
人と同じように大切に扱う姿を見て「この子」をSPROUTに招き入れることに決めたのでした。
命懸けの到着と設置
「この子」がやってきた日のことは忘れもしません。
12月の猛吹雪の日に新千歳空港から札幌経由で九法さんと横井さんがやってきました。
家から出てはいけないような日に、慣れない雪道運転でホワイトアウトする中の到着。
車の荷台からのマシン下ろしは、風も強く、雪も深いし路面は滑るコンディションの中、重たいマシンを持ち上げての搬入。そして設置。
無事に設置されて初めて抽出したコーヒーはホンジュラスのヘナーロでした。
SPROUTのコーヒーのはじまり
12月15日のオープンまでは0円コーヒーで猛特訓です。
たくさんの人に来てもらい、コーヒーの練習に付き合ってもらいました。
SPROUTでエスプレッソを抽出することがコーヒーを提供する上でのゼロからのスタートでした。コーヒーについ知識も乏しかった私たちにスペシャルティコーヒーを提案していただき、頻繁に足を運んではコーヒーのことを教えてくれたのは横井さんでした。
「コーヒーは苦いものじゃないのです。果実で農産物なんです。そこにはたくさんの人が関わっていてコーヒーを抽出してお客様に提供するというのが、最後のバトンを受け取っていることなんです。」とコーヒーの持つ素晴らしさ、美味しいコーヒーを提供する大切さに気づかせてくれました。
13年間
振り返るにはいろいろなことがありすぎて、その一つ一つを上げると切りがない。でも、「この子」との時間はSPROUTの時間そのものだということ。
たくさんのスタッフが触れ、たくさんの方にコーヒーを提供し、たくさんの笑顔と出会いをもたらせてくれました。
最後の一杯はカフェラテで、召し上がったお客様の一言は「今日も美味しかったです」。
ようこそ「TEMPESTA」
2022年10月6日。
新しい子「TEMPESTA」がSPROUTにやってきました。
つい最近まで暑い日が続いていたのに、この日は羊蹄山やニセコアンヌプリで初冠雪を記録するほどの寒さ。雪と寒さが13年前を思い出させます。
設置に来てくれたのは「この子」を設置した九法さんと、「この子」のメンテナンスをしてくれていた川崎さん。マシンを人のように丁寧に扱う二人に新しい子「TEMPESTA」が無事に設置されました。
WORLD BARISTA CHAMPIONSHIP 2022-2025 認定モデル
「TEMPESTA」は2022年からバリスタチャンピオンシップの公認マシンになりました。
マシンを替えるタイミングで「この子」の代理店DCSが扱うマシン「TEMPESTA」が公認になったのは奇跡のようなタイミングでした。
10月12日から14日まで開催のSCAJ2022では「TEMPESTA」は花形といっても過言ではありませんでした。
世界で活躍するマシンがSPROUTにあるということは、とても大きな刺激になります。
SPROUTがここまでやってこれたのは間違いなく、美味しいコーヒーを提供しようと常にトライしていたから。その美味しいコーヒーを提供するにあたってたくさんの人が関わり、力をくれていたからです。
これからも喜びや出会い、そういった感動が生まれる美味しいコーヒーを提供できるよう、「TEMPASTA」と共に日々コツコツと取り組んでいきたいと思います。
たくさんの人が関わってくれている「新しい子」も大切に大切にしていきます。
Yoshi
Sproutのオーナー
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