ニセコトレイル

2024年に「NISEKO TRAIL」という名称でスタートした新しいトレイルですが、もともとは「Niseko Haute Route(ニセコオートルート)」として古くから夏は登山者に冬は山スキーの愛好家に親しまれていました。
日本海から続くニセコ連峰は10個の山頂を通り、最終的には倶知安の町までたどり着くことができます。全長約40km。冬は魅力的な斜面の宝庫でどこに行ってもパウダースノーで大斜面やツリーラン、のんびりと稜線歩きもでき、たくさんの人が楽しめる山です。夏はさらに羊蹄山を越え、尻別岳、洞爺湖を通り、有珠山を越えれば太平洋まで続き、通して歩くとその距離は140kmほどにもなります。

自分の楽しみ

20年近く前からトレイルランニングを始めるようになり、ニセコの夏山には毎日のように出かけました。毎日のようにいると木が倒れたこと岩が動いたことまでも、さまざまな細かいことに気がつくことができます。
ゴミが落ちていることも。草が生い茂って道が走りにくくなっていることも…。
これまでは長い距離や時間を走ること、より速く走ること、自分が楽しむことに意識が向いていてネガティブな気づきには目をつぶって、改善することに行動に対して移すことができていませんでした。

トレイルには人が関わっている

「みんな自分の時間を使って参加している」山岳会の登山道整備に参加して感じたこと。山を愛する人たちの集まりが山岳会で、山を楽しみたいという気持ちはみんな同じです。自分たちの山は自分たちで楽しめるようにする。そんな気持ちが伝わりました。
天気が悪い時は山に行きたくない、天気が良い時は自分の山歩きがしたい、それでも登山道整備に参加します。しかし、実際に参加してみると、そこには山が大好きな人たちが集まり、草花に詳しい人、木に詳しい人、昆虫、鳥、キノコ…、それぞれの分野のスペシャリストが集まっています。その人たちと山で時間を過ごして楽しくないわけがありません。

山への恩返し

「一番良かったものを返すと次にもっと良いものがくる」というのはLaLaLaFarmの講習会で教わったこと。山に対しても同じことで、自分が山で得た楽しかったことを返すことで、次により良い楽しみがやってくるということを実感することができます。恩返しをするということは、自分が得たことを返すということだと思いました。
山を毎日のように走り、毎日のように滑り、そこで得たことをちゃんと返せるように山と向き合っていけたらと思います。