さんかくらいふ -物語を循環させる旅 in Guatemala- #9
Finca VIZCAYA
Francisco Quezada
Federico Calderon
あのVIZCAYA
コスタリカからグアテマラに移動して最初に訪れたのはVIZCAYA農園。
2年前まで長い間SPROUTのブレンドコーヒーに使用させていただいていた。
グアテマラらしいボディがあってチョコレートのように苦味がありながら甘味がしっかりと残るコーヒー。
グアテマラシティから車で3時間弱かけて山道を走り農園の入り口に着いて、大きな看板を見た時は「これがあのVIZCAYAか!」と胸が高まった。
グアテマラは都市から少し離れると道路も舗装されていないところもあったり、道もガタガタで決して整っているとはいえない環境。そこからコーヒー豆が運ばれてSPROUTがあるニセコまでやってきていると思うと、コーヒーはすごい旅をしているのだとあらためて思う。

大きくも管理された農園
入り口は標高1400mのところにある。
そこにはウェットミルや乾燥用のパティオやアフリカンベッドなどの生産処理施設がある。世界中で飲まれているコーヒーだけあって大きな規模だった。
栽培しているコーヒーの品種はイエローパカマラやゲイシャもあるが、ほとんどはブルボン種を栽培しているそうだ。
チェリーを洗う際に入れておく槽もコンクリート製のものとセラミック製、そしてプラスチックのタンクと3種類あり、それぞれ特徴を活かした精製をロットによって使い分けている。

生産処理施設がある1400mから山の上に向かって農園があり、一番標高の高いところは1800m以上にまで上がる。コーヒー栽培は5代続く経験を活かし、その広大なエリアの農園ではしっかりと区画が整理されており、3年ごとに収穫とある程度まで木が成長すると栄養が分散しないように枝を落とすカットバックを行なっている。

信頼関係があってこそ
案内してくれたのはオーナーであるフランシスコさんの甥のフェデリコさん。
オーナーのフランシスコさんはVIZCAYAだけでなく、Dinamica(グアテマラの大きなドライミルとエクスポーターをやっている企業のひとつ)のオーナーの1人でもあり、レンガ会社、またLa Laboaというコーヒー農園のオーナーでもある。

VIZCAYA農園ではところどころにピッカーさんの家があったり、鶏が歩いていたり、蜂が飛んでいたり、農園の一番標高が高いところでは養蜂場がありハチミツを作っていたりして、大きな農園ながら生活感があった。収穫期には約70人の地元のピッカーが集まり、スタッフも20人いるという。
働く人たちへの賃金など信頼関係あってこその大きな農園である。働く人たちについて話すときに熱くなっていたフェデリコさんの姿を見て人を大切にしているからこそ続いているのだと感じた。

世界中で飲まれている
VIZCAYA農園のコーヒーはすでに完売していてノルウェーや韓国などに渡るそうだ。
残念ながら日本で飲むことはできないが、数年前までSPROUTでみんなから好まれていたコーヒーの農園は間違いなく良い場所で作られていた。


Yoshi
Sproutのオーナー
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