7月14日~20日、新谷暁生さんのガイドによるシーカヤックツアー知床エクスペディションに参加しました
20年の歳月
2004年にニセコに移住して、冬の間はニセコアンヌプリスキー場のパトロールの仕事に10年以上お世話になっていた。
SPROUTは2009年に開業したが、開業当初はコーヒーショップだけでは生活が成り立たず、また、フィールドで第一線で活動することも大切にしたいという想いからスキーパトロールは続けていた。

何よりもスキーパトロールの仕事は学ことが多かった。
雪のこと山のこと救助、そしてどんなコンディションでも滑り降りる技術、経験とそこから得ることができる知恵は講習会で得る知識とは大きく違った。

そこで最もお世話になった一人が新谷暁生さんだ。
ニセコ雪崩調査所の所長であり、ロッジ・ウッドペッカーズの主人でもある新谷さんは、冬の間は毎朝「ニセコなだれ情報」を書き、当時は毎朝ニセコアンヌプリの山頂ゲートに立ち、訪れる人々に雪山を滑る際に事故に遭わないように注意喚起をしていた。

北海道のや山行からヒマラヤの山々、アリューシャンや南米などでのシーカヤック、世界中のさまざまな場所で数々の冒険をしてきた新谷さんとは、ニセコアンヌプリスキー場のパトロールだった僕は毎日顔を合わせ、一緒に山頂ゲートに立っては新谷さんのこれまでの冒険の話を聞いていた。
その話を聞くたびに刺激を受け、若かった僕の心に大きな影響をもたらせた。

逃してきていたチャンス
「君がトウゲ君かぁ!」と初対面で名前を呼んでくれて、満面の笑みで握手をしたのを今でも鮮明に覚えている。
「一度知床の海に漕ぎにきたらいいよ。たくさん学べるから。」と何度も声を変えてくれた。
しかし、当時の僕はリバーカヤック、トレイルランニング、ハイキングと、その時々で夢中になっていることがあり、いつか行きたいと思いながら北海道の短い夏が何回も過ぎ去ってしまい、少ない機会を逃してきていた。

20年以上が経ち、SPROUTだけでなくCamp&Goも運営するようになり、これまでバラバラに忙しく、それぞれで自分なりにがんばっていた「コーヒー」と「フィールド」と「暮らし」がようやくひとつに結びつきはじめた感触を持ちはじめた。
そんな時、2025年の6月、パトロール時代からの仲間から「7月に新谷さん知床にシーカヤック行くみたいだよ。」との連絡があった。

行かない理由はひとつもなかった。
ようやく、ようやく、僕にも参加する機会がきた。

やるに値すること
パトロールを続けて10年。
パトロールから離れて10年。
何から話そうか、何から伝えようか、報告したいこともたくさんあるし、伝えたい感謝もたくさんある。

僕にとっては山や川や海で冒険をすることと、コーヒーへの理解を深めていくことはどこかしらに共通点があると思っていた。
それは新谷さんがよく言葉にしていた「やるに値することか」ということだった。
焙煎することと自然を読むこと、生産地を知ることと世界中を旅すること、人との出会いで世界が広がること、体験して人に喜んでもらうこと。その一つひとつは僕にとって「やるに値すること」だった。

知床羅臼の初日、台風直撃による停滞日はこれまでのことを振り返る1日になった。

Yoshi
Sproutのオーナー
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