Santa Teresa 2000
Roger Ureña Hidargo

スペシャリストが集まるタラス

朝早く出発して車で3時間ほどかけてタラス地区へ。
途中、オーガニックの野菜やフルーツ、コーヒーやカカオの生産地としても知られるカルタゴの街を過ぎ、山の小さなリゾートカバナを超えて、さらに山奥へ入っていき、ようやくたどり着いたのは山の中の小さくてきれいな街ドタ。
民家の至る所でコーヒーチェリーが乾かされていたり、コーヒー生産の街だということがすぐわかる。

ドタの街の中の公園にピックアップトラックで迎えにきてくれたのはサンタテレサ2000のオーナーであるロヘール・ウレニャさん(ロニさん)。ピックアップトラックの荷台に乗ってマイクロミルのあるサンタテレサ2000まで一気に上がる。街との標高差は約500m。

自ら切り開いてきた

ロニさんは3代目で幼い頃から農園を手伝っている。
15才の時に自分で貯めたお金でコーヒーの苗木を買い、農園をつくりはじめた。その後はアメリカに出稼ぎにも行き、稼いだお金で農園を拡大もしたといいう。

現在は一番下の息子さんアレックスさんが作業を手伝っている。
訪れた際はロニさんが各場所を案内してくれて、アレックスさんがウェットミルの作業やアナエロビックなどの処理工程の説明をしてくれた。

成果が実る

サンタテレサ2000はその名の通り標高2000mの場所にあり、コスタリカでは一番標高の高い場所に存在する2014年にできたマイクロミルだ。
農園は1800mから2050mに位置し、カトゥアイ、ティピカ、パカマラ、ブルボン、SL28、スーダンルメ、ビジャロボス、エチオピア、ルワンダ、カシオペア、そしてゲイシャととても多くの品種を栽培している。

多くの品種を栽培しているのは病気への対策もあるが、品種がカップに影響を与えること、より個性を出すことを考えてのことだという。
2024年にはゲイシャ種のウォッシュトがCOEで92.04のスコアを獲得し見事果たした。

努力とプライド

訪れた農園とマイクロミルは王者の風格というのか、きれいなコンクリートのパティオ、風通しのいいビニールハウスの中の乾燥ベッド、山の傾斜を利用してつくられたウェットミル、清潔な発酵タンク、しっかりとした区分け、どれもが素晴らしく管理が行き届いていて、ゴミはもちろんひとつも落ちてなく、嫌な匂いもまったくしない印象だった。

昨年はSPROUTでもサンタテレサ2000のコーヒーを提供させていただいていたが、実際に訪れてみて、ここまで整っているところだとはまったく知らなかった。とてもクリーンな味わいのコーヒーはこういった細かい設備環境の管理からきているのだということがわかった。

コスタリカの頂点ということは世界の中でもトップクラスだ。
世界レベルのコーヒーづくりは、ふさわしい努力とプライドを感じた。