コーヒー好きな人が山へ行って、山で美味しいコーヒーを飲みたいと思うことは当然のこと。
しかし山で美味しいコーヒーを淹れるにはどんな器具が必要なのか?
コーヒーを淹れる器具は 大きくて重い?
必要か必要でないかの取捨選択で、早い段階で削られてしまうのがコーヒー・・・
しかし美味しいコーヒーは栄養やエネルギーとは違った、やる気やリラックスといった心にポジティブなスイッチを入れてくれるものです。
そこで今回は、番外編としてSPROUTが実際に山で美味しくコーヒーを淹れている道具たちをご紹介します。
山で迎える朝靄の中、お湯を沸かす。豆を挽く。ゆっくりドリップする。最初の一口目の美味しさは何物にも代え難く、最高に贅沢な時間です。
山でコーヒーを飲むのに必要なものを整理してみます。コーヒーはそもそもお湯とコーヒー豆だけなので、お湯を沸かす道具とコーヒーさえあればコーヒーはできてしまいます。しかし、美味しく飲むにはやはり「グラインド」と「抽出」という行為が必要になってきます。
「グラインド」とはコーヒー豆を細かい粉に挽くこと。挽きたてがもっとも香りが良く味わいも豊かになります。 また「抽出」にはたくさんの方法がありますが、山でのお勧めは「ペーパードリップ」という方法です。その理由は、「シンプル」なこと。粉とお湯の量を合わせて注ぐだけで出来上がり、抽出した後の片付けもペーパーを捨てるだけです。
以上のことを整理すると、美味しいコーヒーを山で淹れるために必要な道具は①お湯を沸かす「ストーブ」、②お湯を注ぐ「ケトル」、③コーヒー豆を挽く「コーヒーミル」、④ドリップするための「ドリッパーとペーパー」、⑤淹れたコーヒーを受ける「サーバー」の5点が必要になるということになります。
これらすべてを家やお店で使用している物にすると、それだけで山に持っていくバックパックは一杯になってしまいます。そこでハイキングでも通じている、UL(ウルトラライト)の方法がコーヒーでも活かされます。
まずは実際に一般的な外でも使えるコーヒー器具のそれぞれの重さを測ってみます。①ストーブ+ガス缶500g、②ケトル420g、③コーヒーミル260g、④ドリッパー100g、⑤サーバー+タンブラー520g、合計すると1,800g。なんと1,8kgにもなります。
全体で見ると「コーヒーグッズ」と一括りのものでも、一つ一つのアイテムが集まったもの。その一つ一つを見直してみると、例えば①ストーブ+ガス缶は、一回のお湯を沸かすのにガスストーブだと早い代わりに大きくて重いことに加え、ガスは缶なので必要以上に持っていかなくてはいけません。②ケトルは山に持っていくには重くて大きい。③コーヒーミルは小さいと豆を入れる容量も小さくなってしまうため何度も「グラインド」を繰り返さないといけなくなります。小さくしても刃の大きさは変わらないので重さはあまり変わりません。④ドリッパーは重さの割に意外とかさばります。⑤サーバーにコーヒーを落としタンブラーに注ぐという行為自体はシンプルできそうです。
それぞれの道具を見直し、工夫し、替えていきましょう。
①ストーブはガスストーブからアルコールストーブに変更します。ストーブ自体がコンパクトなことと、燃料はお湯を沸かす分だけ持っていけるという利点があります。②ケトルは軽くて小さいものに。③グラインダーは替えずにそのまま。④ドリッパーは軽くて収納時はカードサイズにもなるコンパクトな「munieq TetraDrip」に。⑤サーバーは保温性のフタ付きタンブラーを使えば淹れたコーヒーの持ち運びもできます。
改善後の一つ一つの重さを測ってみると①「EVERNEWアルコールストーブ」(35g)に五徳と風防を備えた「munieq X-mesh」(15g)、②アルミ製ケトル(200g)、③「ポーレックコーヒーミル」 (260g)、④「munieq TetraDrip」(50g)、⑤ボトルは「KleenKanteen」の500ml(300g)。合計すると860gです。改善前と約1kgも軽くなりました。
「860gで、お店で飲むのと変わらない美味しいコーヒーが山の上でも飲める」
1泊2日の山行の場合、山の道具自体をシンプルに軽量化することでバックパックの容量にかなりの余裕が生まれます。その余白に自分の楽しみを入れて山に行くことで、ハイキングの楽しみを増やすことができます。荷物が軽く小さくなった分でどう遊びを取り入れるか。スキーやランニング道具・ギターや太鼓などの楽器を持っていくのと同じ気分で、山で美味しいコーヒーを淹れる時間を楽しむことができます。
山行が3泊4日・1週間・1ヶ月と期間が長くなる場合は、日数が増えていくと行動時間も増えるので800gのコーヒー道具をさらに削らなくてはいけなくなります。また荷物を入れる隙間もなくなってしまい、器具そのものも持っていけなくなります。それでもコーヒーは山には必ず持っていきたいという時には「コーヒーバッグ」(12g)がオススメ。挽きたてのコーヒーを袋に入れているので、お湯さえあれば美味しいコーヒーを飲むことができます。しかも、一杯ずつなのでコーヒー豆の産地やカフェインレスのデカフェを選ぶこともでき、ドリップする手間もなく、カップに「コーヒーバッグ」を入れてお湯を注ぐだけなので器具は一切必要ありません。コーヒー豆を挽く時の音や、ゆっくりドリップする贅沢な時間の流れは器具なしでは味わえませんが、美味しいコーヒーの香りと味わいを感じることができます。
しかもコーヒーには脱臭・殺菌作用もあるため、使用済みのコーヒーバッグでご飯を食べた後の鍋を拭いて油汚れをスッキリさせることもできます。一つのものを工夫次第で様々な用途にも使えるということからも、コーヒーバッグは究極の「ULC(ウルトラライトコーヒー)」ともいえるでしょう。
山や旅では、コーヒーは贅沢品かもしれません。しかし、コーヒーを飲むシチュエーションが、時には空に近い山の壮大な景色の中で飲んだり、時には自然の過酷な状況の中の一息だったり、同じ状況は二度とありません。
コーヒーは思い出す飲み物です。山や旅先で美味しいコーヒーを飲むと、日常に戻った後もふとした時にその時の光景をきっと思い出します。一杯のコーヒーが、山や旅の中で大きな役割を果たしてくれます。そしてコーヒー道具も大きな役割を果たしていくうちに年季が入り、思い出が積み重なっていくはずです。
munieq X-mesh (L) 50g ¥3,200
munieq Tetra Drip 01S (stainless steel, Small) ¥2,800
GSI HALULITE TEA KETTLE ¥5,400
GSI HALULITE MINIMALIST¥5,720
KleanKanteen16oz ¥5,280 (SPROUT ORIGINAL)
SPROUT COFFEE BAG ¥180
SPROUT COFFEE BAG Decaf ¥200
SPROUT COFFEE BEANS ¥756/100g~
Yoshi
Sproutのオーナー
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