晩秋の冷たい風に冬への期待で心を躍らせたと思えば、春の心地よい暖かな風を感じ、生き生きと色づく春紅葉をみて、心が安まる。
そんな季節の移り変わりを感じ、気が付けば今シーズンも終わりを迎えた。

クリスマス前の寒波から始まった子供達とのスキーの時間は、100時間を超え、初 めは探り探りのスキー操作だった彼らは、次第にスピードがつき、マッシュを飛 び、ボックスやレールをするようになった。

そんな彼らの滑りの成長を記録しようと思い撮り始めた彼らの写真は、シーズンを過ごすごとに写真が少なくなっていった。それはいいスピードで滑り降りてくる彼らの滑りに写真をとる暇さえなくなった彼らの成長の証であり、元気に滑る彼らとのセッションを区切りたくないという思いが芽生えたからだった。

自身がフリースキーという遊びに情熱を注ぎ取り組んでいる者として、彼らにもスキーで自由を感じて欲しいという願いがあった。

「こうしなければいけない。」なんていう型にはまらず、まずはスキーを楽しむこと。スキーを通じてこの地の豊かな自然を感じて欲しい。そんな思いを持って彼らとシーズンを向き合った。ピステンも不整地も元気に自由に滑る彼らが怪我をしないように見守りながら彼らに負けじと一緒に楽しく滑った。

自由を求め滑るということは、他人の自由も認めるということ

シーズンを過ごし、お互いの気持ちを尊重しあい、互いの頑張りや挑戦をたたえ合う、そんな彼らの姿を見ていると、スキーの技術だけではなく、スキーという遊びの本質的な部分に触れてる。そんな思いを抱かせてくれた。

春に差し掛かると、HANAZONOスキー場が閉まり、運行しているリフトも限られてくる。
春のローカルタイムは、必然的にリフトに友達が集まり、セッションが始まる。

ハイシーズンは、リフトの上から眺めて友達と一緒に滑るその時間は、共に成長を感じ合う刺激的な時間だったに違いない。

シーズンの最後は、家族、友達、みんなで滑りシーズン終了を迎えた
最後の最後まで元気に楽しくパークを滑る成長した彼らの後ろ姿はとっても逞しく、そして、そんな彼らの滑りを見守るかのように正面に見える羊蹄山は、ここ「スキーの町倶知安」の輝く未来を見守るそんな温かい姿に見えた。