5月22日に山と道HLC北海道プログラム「ヒグマについて考える一日」が開催されました。
講師に『公益財団法人知床財団公園事業係』に勤務し、ヒグマと人間の軋轢を減らす活動に従事する吉澤茉耶さんをお招きし、ヒグマの生態や関わり方について学びました。

午前中はフィールドでの講習会。
初めて会った参加者のみなさんもフィールドからスタートすることで緊張もほぐれます。

今抱えているヒグマに対する考えや疑問点などを率直に聞き、一つ一つ答えていただきました。
普段、何気なく歩いているところやランニングしているところも、よく見ると痕跡があったり、ヒグマの目線で歩いてみると食べ物や水、歩きやすい場所など、同じ場所でも全く異なります。

実際にヒグマと遭遇した時の距離感や対処方法、心構えなどをレクチャーしていただき、これから山に入る際の気持ちも変わってきます。

それぞれで昼食をとり、場所を移動して午後はCamp&GoのWhite Wall Roomで室内講習です。
ヒグマの生態について詳しく学びます。

ヒグマの大きさや視力・聴覚・嗅覚といった特徴や体のこと、一年を通して食べ物は何を食べているのか、どういう行動をしているのか、オスとメス、大人と子供の違い、などといったヒグマの生態について詳しく教えていただきました。

午前中に実際にフィールドを歩いたことでヒグマの目線になったこともあり、不思議なことにヒグマの生態を聞けば聞くほど、私たち人間の本来の姿の話を聞いているようでした。

ヒグマのことを理解するということは、視点を変えると本来の私たちの暮らしを見つめ直すということなのかもしれません。最近ニュースなどでも取り上げられているヒグマに関するニュースは開発による森林の伐採やゴミの問題、自然と生活とのバランス、私たち人間がどこかで贅沢を求めすぎていることへの問題提起なのかもしれません。ヒグマが心地良く快適に過ごすことができる環境というのは、人間にとっても良い環境に間違いありません。

ヒグマについて考える一日は、私たち人間が関わっている地域づくりや環境づくりから仕事や趣味、家族との暮らしにまでつながることだとと考えさせられた一日となりました。