Camp&Goの新しいプロジェクトとして「農業を知り、身近に感じることで暮らしを豊かにする」というテーマで、毎月1回LaLaLaFarmの服部吉弘さんを講師に迎えて座学と実技に分けて講習会を開催。第四回目が先日8月1日に開催されました。

循環する光合成

第4回目のテーマは「植物と身体の発酵」。
お話は光合成の理解から始まりました。
太陽の光から全ては始まり、植物は二酸化炭素と水を摂って、でんぷんと酸素を生み出します。
動物はでんぷんと酸素を摂って二酸化炭素と水を生み出します。
要点だけを抑えるととても単純なことで、自然界はこれを循環してバランスをとって成立しています。どこかでバランスが崩れると循環がうまくいきません。
この循環はなかなか目に見えることではないので、見えないところで起こっていることをるかいするということが必要です。
大切なことは見えないところで起こっており、植物を育てるとそこに気づくことができるといいます。
見た目は結果であり、結果は原因にある。
その原因というのはどこにあるのかというと、見えない部分にある。
仕事も人間関係も、原因を見るクセをつけておくとすべてを理解することにつながります。

生き物たちはでんぷんを欲しがる

人間を含め、微生物も、生き物たちはでんぷんを欲しがります。それは水素を補給するためで、取り込んだ水素と吸い込んだ酸素でエネルギーとなります。
水素と酸素のバランスで細胞をつくります。だから生き物たちはたくさんごはんを食べるのです。
ご飯を食べるということはでんぷんを摂るということ。でんぷんは細かくすることで分解され食物繊維、オリゴ糖、麦芽糖、ブドウ糖となり栄養としての吸収の速さが異なります。
「よく噛んでご飯を食べる」「ご飯を食べるときは野菜と一緒に」「発酵食品を食べる」「食事と食事の間は時間を空ける」そういった昔から言われていることは生活の知恵でもあり、すなわち、発酵を理解すると日頃から何をどう食べたらいいのかを理解することができるようになります。

食品の発酵について

ごはんにエネルギーが加わると麹になります。
麹にエネルギーが加わると日本酒になります。
日本酒にエネルギーが加わると米酢になります。
米酢にさらにエネルギーが加わると何もなくなり、水になります。
水と土・微生物・空気が合わさると再びごはんができます。
これは全ての食品にいえることで、このエネルギーが加わって変化することを発酵といいます。
エネルギーがうまく入らないと腐敗になり、発酵せずに水となります。
発酵は人間では作ることはできません。全て微生物の力で作られます。

この工程で一番難しいのが土・微生物・空気・水から食品に変わる工程です。それは温度や圧力、エサなどの条件をコントロールできないからです。つまりは自然はコントロールできないということです。自然と向き合って環境をみて、仕組みを理解することでカタチになります。
すべてつながっています。
自然と仕組みを理解すると暮らしが豊かで、健康で、野菜づくりにもつなげることができます。

自然・暮らし・コーヒー

発酵を促すエネルギーが自然だとしたら、発酵食品は人が関わる文化といえます。
文化というのは毎日の生活の積み重ねで、毎日の生活とは地域の自然から得たものを食べ物や飲み物に加工したり、道具にしたり、風習としている。つまりは自然が文化を生み出し、文化とは暮らしそのもののことだといえます。
そう考えると発酵の技術は食品だけでなく、仕事や人との付き合い、風習、遊びといった暮らしにも当てはめることができます。
これは「自然と暮らしをコーヒーでつなぐ」という会社のテーマにとってとても重要なヒントを与えてくれている気がします。
答えに辿り着くまでもう一歩。この答えがわかった時にコーヒー生産者に消費者からのメッセージを伝えることができる気がします。ただただ美味しいだけではない、もう一歩踏み込んだ、暮らしを豊かにしてくれるコーヒー。それはこのLaLaLa Farmとのプロジェクトが重要な鍵を握っています。