10月6日、山と道HLC北海道プログラムのLocal Study Hikingが行われました。
講師に地元で山のガイドしているマウンテンガイド・コヨーテの古市竜太さんを迎え、「ニセコトレイルの幕開け」というテーマで歩きました。
深く深く歩くハイキング
古市さんに講師をお願いして5年間。
毎年秋にニセコの山の歴史や文化を学びながら山を歩きました。
硫黄鉱山跡地では山の中での人の暮らしの跡を探しながら当時の暮らしを想像したり、山スキーで賑わうエリアではなぜニセコがスキーで賑わうようになったのかを考え、地形に合わせた産業や山域による植生の違いなど、ゆっくりじっくり歩くことで小さなことに気がつくことができたり、新しい発見をしたり、長く遠くまで歩くのとは違った、深く深く歩くハイキングでした。
ニセコオートルート
今回歩いたルートは岩内岳を越え雪田エリアを通り、秘境といわれるパンケメクンナイ湿原を歩き、目国内岳、前目国内岳を越えて、新見峠に下りるルート。丸一日かけてじっくり歩きました。
このルートは日本海からニセコ連峰の稜線を歩き、倶知安まで至るルートの一部で、古くから山スキーを楽しむ人や縦走登山を楽しむ人に「ニセコオートルート」と呼ばれて愛され続けています。
実際に歩くと四季の変化が大きく、来るたびに違う表情を見せ、また土や岩、沼、稜線などバラエティに富んだトレイルで、まったく飽きのこないルートです。
ニセコトレイル
このニセコオートルートが今年から「ニセコトレイル」という名前が正式につき、看板がついたり配布用のマップが作られたり、トレイル整備もされるようになりました。
ブームとなっているロングトレイルというには40kmほどなので少し短いですが、羊蹄山を越え、洞爺湖を通り、有珠山を越え、太平洋まで結ぶと、その距離は130kmほどになります。
日本海から太平洋までつながるので、街に立ち寄ったり人に出会ったり、物語のあるハイキングができそうです。
ニセコトレイルの幕開け
ニセコトレイルはハイキングやトレイルランニングでも楽しいトレイルですが、背景を知ると感じ方が変わってきます。温泉があったり人が暮らしていた形跡があったり、地形や植生、スキー。人と暮らしがあってのトレイルです。
トレイルとしては草が伸びてしまっているところや途中にテントを貼れる場所がなかったりと、まだまだ課題の多いトレイルといえます。これまで一部の山スキーと縦走以外は通る人がほとんどいなかったトレイルなので当然のことです。しかし、「ニセコトレイル」という名前で発表されたことで少しずつ通る人も増え関心が高まってきたのではないかという印象があります。
古市さんの講師によるLocal Study Hikingは完結しましたが、ニセコトレイルはスタートしたばかりです。これからも形は変わってもこうした地元の山の歴史や文化を学ぶ機会はつくりたいと思います。そしてトレイルをみんなで育てていければと思います。トレイルはなにかとなにかをつなぐもの。ニセコトレイルをきっかけにたくさんの人がつながり、街や村といった地域の枠を超えた交流ができるのではないかと想像しています。
5年間もの間、山と道HLC北海道のLocal Study Hikingを一緒につくってくれた古市さん、ありがとうございました。
Yoshi
Sproutのオーナー
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