SPROUTが10周年の時にCamp&Goがオープンし、Camp&Goが5周年の今、2階を宿泊施設にするプロジェクトがついに稼働した。

どうして宿泊施設なのか?

初めから宿泊施設がやりたかったわけではない。しかし、これまでたくさんの人がこの場所を訪れくれて、この場所に大きな影響を与えてくれた。
アート活動をする作家さんが滞在し作品を制作し発表するというCamp&Goの大きなプロジェクトのひとつであるHome Stay Artistをはじめ、さまざまな展覧会、ポップアップショップやメーカーの展示受注会など、全国各地からお客様ではなく、利用者として訪れてくれる。
利用者が宿泊できて、ニセコの自然を満喫し、周辺のお店に遊びに行けたらより楽しみが広がるはずだ。
訪れた人がゲストからホストになり、次に訪れる人を迎え入れる、「自分の得意とすることで誰かに喜んでもらう」というCamp&Goのコンセプトがより実践しやすくなるだろう。

何が起こるかわからない

Camp&Goの計画をしているときにイメージしていたスペースがある。
「キッチンと広いスペースがあって、さまざまなワークショップやイベント、ミーティングなど、そこで何が起きてそこから何が起こるかわからない、それは『リビングでもなく、ダイニングでもなく、ハプニングだ!』」と力強く絵と一緒に描いてあった。
アクシデントやトラブルではネガティブな印象だが、“Happening!”偶然に起きた出来事をプラスにするのは自分次第のようなところがある。
宿泊施設から広がって、さまざまなアクションが起こり、それが偶然のハプニングとなって、思いもよらなかったことが起きるような場所になってほしい。

もっと好きになっていくということ

星野道夫さんが写真家としてアラスカに戻り、さまざまな旅を経たのちに家を建て生きていく場所として決めたのは14年目だ。
その時の文章に大好きな言葉がある。
「一つの夢や仕事を実現しようとする時、始めは漠然とした思い出あっていいと思う。しかし、その気持ちを温め育てながら、wantの時代からmustの時代へと移行してゆかなければならないような気がする。別の言葉に言い換えるなら、もっと好きになってゆくということである。その気持ちが確かなものなら、次々とやってくるハードルを、きっと超えてゆけるだろう。」

シンプルで漠然と

自分の好きなこと得意なことに出合うということはそう何度もあるものではない。
だからこそ、好きなこと得意なことに出合ったなら、さまざまなハードルはそれを深めていくためのものだ。正直に優しさを持って大切にしていきたい。
難しいことは置いといて「こんなことをやってみたい」というシンプルで漠然とした想いで十分だ。
ぜひ、Camp&Goの利用者としてここを訪れてほしい。

このプロジェクトのスタートにあたっては、Camp&Goを設計してくれた永田さん、いつもワクワクする空間を制作してくれるアポロカンパニーのヒデキさん、そしてたいへんな事務手続きや掃除など未経験の数えきれないほどの業務に勤めたスタッフ、に心から感謝です。