野外での活動や山へ行く時、みなさんはどうやって気象の情報を仕入れているでしょうか? 予報が当たらないとお嘆きの方は、もしかしたら気象情報の使い方が間違っているのかも知れません。

地域に住む気象予報士の視点

気象予報士の新美さんから一言

「大学で気象のことを学び、気象庁で気象の観測、予報、予報の元となるコンピュータープログラム(数値予報)の開発に携わった倶知安町樺山在住の気象予報士に気軽に質問できる、そんな場を作れたらと思っています。よろしくお願いします。」

新美和造プロフィール

子供の頃から空を見るのが好きで、親によく山に連れて行ってもらってたこともあって気象に興味を持つ。
高校卒業後、気象を学ぶため北海道大学に進学。水産学部漁業学科で海洋学、漁業気象を学び、卒業後は北大低温科学研究所にて雪氷学、気象学の研究に携わる。
修士課程修了後、気象庁へ。根室、札幌、東京で勤務し、観測、予報、数値予報の業務を経験。
2006年から倶知安町樺山を拠点に気象予報士として活動。ひらふ、花園でスキーパトロール歴13シーズン目。

お天気相談室ー天気のこと教えて新美先生ー

ニセコHANAZONOスキー場のパトロールで気象予報士でもある新美和造さんによるお天気相談室が開催されました。
参加者からの質問や、事前に設置していた質問箱に寄せられた質問に答えていただきました。

その天気予報、あってますか?

日頃山に行く際やどこかに出かける時、必ずと言っていいほど天気予報を見ます。
「晴れのち曇り、最高/最低気温〇〇℃、西風〇〇m/s」
テレビやウェブサイトなどで当たり前のように太陽や雲、傘、雪マークで明日の天気を頭の中に入れて翌日の行動を決めてしまっている気がします。

当たり前にあることを考えてみよう

当たり前のように身近にあることも、ひとつひとつを考えてみると疑問だらけ。
必ず理由があって事は起こるもの。
山での遊び方や考え方、見方も変わるかもしれません。暮らしにも生かされるはずです。

次回開催は1月27日(金)17時からCamp&GoのWhiteWallRoomにて開催されます。

今回いただいた質問の回答をまとめました。

Q:今シーズンは雪が少ないですね。
A:今シーズンは積雪量は少ないのですが、降雪量は多いです。

Q:雪が降るか降らないかの判断は?
A:雪が降る量と場所の予測は500hpaの気温と850hpaの風を見る

Q:ニセコはいつも爆弾低気圧がさった後に大雪が降るイメージですがなぜですか?
A:ニセコが吹雪の後に降雪が多くなるのは、吹雪の時は風が強すぎて岩見沢や夕張などが大雪になって、低気圧が去って風が少し弱まった頃にニセコが大雪となるパターンが多い

Q : おすすめの天気予報サイト
A : 「ここで天気」と「お天気メモ」
ニセコのスキー場トップリフトの運行状況は風速「15」と「18」と「風向」が鍵、

Q : 山で(街でも)天気が崩れる気配ってありますか?
A : 空の様子を見てみましょう。
ひつじ雲、うろこ雲→天気が下り坂
レンズ雲、かさ雲→上空の風が強い
飛行機雲→雲が出やすい条件が揃っている

Q : 最近の局地的な天気について
A : 温暖化が原因のひとつと言えるでしょう。
雨は気温上昇により暖かく湿った空気が起こりやすいため
雪は海水温の上昇が大きい

Q : 雲海は予想できるんですか?
A : はい、難しいけどできます。
ニセコの場合は主に二通りの雲海があります。
一つは放射冷却によるもの
もう一つは太平洋や日本海の海霧によるもの
気象衛星ひまわりで雲の画像を見るのが参考になる
赤外画像→白い雲が高い雲として表れる
可視画像→白い雲が低い雲として表れる

Q : 同じ晴れでも朝焼けや夕焼けがきれいな時とそうでない時の違いってなんですか?
A : まず晴れてい流るけれど雲がなければいけません。
雲が高いところにある程度あること
空気中に水蒸気があること