2023-2024シーズン。こんなに雪が少ないことも、2月に気温が10℃を超えることも初めてのことです。山での滑れる斜面が限られたり、スキー場の営業自体にも影響し、地球温暖化、異常気象などと騒がれているのはニセコでも感じることです。
大きな災害やウィルスなど、今まで当たり前にあったものが壊れたり、なくなったりしてはじめて気づくということもあるのかもしれません。

ニセコに移住して20年になりますが、スキーをしなかった年はありません。
雪が降ったら除雪をして山に出かけるます。雪の感触を確かめながら山を滑る感覚はコーヒーの豆の状態を観察しながら焙煎したり抽出したりすることと共通しています。だからSPROUTで提供させていただいているコーヒーは、いつも通っているニセコの山々からたくさんのインスピレーションを得ています。自然は暮らしの一部なんだということをあらためて思います。

毎日ニセコの山で遊び、コーヒーを焙煎したり抽出したりして同じことを繰り返していることに飽きないのかということをよく聞かれますが、全く飽きることはありません。きれいに羊蹄山が見れた時は初めて見る時にように感動するし、雪質も同じ日は二度とありません。コーヒーも同じです。逆にずっと同じことを繰り返しているからこそ小さな変化に気づくことができたり、大切なことを大切にしていこうという気持ちが生まれてきます。

開発が進んだり、人が多くなったことでニセコを離れてしまう人がいるのも確かなこと。それでもスキーをすればやはり楽しいし、山に行くと会う人みんなが笑顔でいます。
結局のところはとてもシンプルなことなんだと思います。素晴らしい自然とそれを楽しむ人がいるということはいつの時代も変わりません。

コーヒーもまた気候変動やさまざまな環境問題により大きく状況が変化しています。
「コーヒー豆が素晴らしいのだから人が余計な手を加える必要はない。」
生産地の素晴らしい自然環境とその地で丁寧に育てられている、結局のところはシンプルなんだということはコーヒーもまた同様です。
SPROUTのコーヒーに対しての想いは、やはりニセコの自然から学ことが多くあります。