4月に訪れたグアテマラの旅の報告会をスタッフのみんなにようやく行うことができました。
今回の報告会では主にコーヒーの収穫から生産処理の流れを中心にお話しさせていただきました。
また、訪れた農園のそれぞれのストーリーや旅のお話はひとつひとつを直接お話ししたいと思います。
Huehuetenango(ウエウエテナンゴ)
グアテマラシティから小型飛行機に乗り1時間弱でメキシコとの国境近くの街「ウエウエテナンゴ」へ。
アラスカを旅して以来の小型飛行機で冒険感、旅感、ワクワク感に気持ちが高まりました。
グアテマラの中でも良質の豆が生産されることで有名なウエウエテナンゴという地域は、グアテマラ北西を横切るクチュマタネス山地にあります。とても乾燥している非火山性地域で、標高が高く、コーヒー栽培の地域は特に起伏が激しい渓谷が多い場所です。クチュマタネス山地から吹き下ろされる冷たい風と、メキシコのテウアンテペック平原から吹き付ける乾燥した風のおかげで、2,000m 近い標高があるにもかかわらず、霜害から守られ良質のコーヒー豆が栽培される地域となっています。
それぞれに物語がある
今回の旅では9つの農園を訪れました。例年だと収穫時期は過ぎているそうですが、今年はコーヒー収穫の時期が遅れていたので訪れた時に収穫から生産処理までの工程を見ることができました。
ROSMAのアレハンドロさんの案内のもとそれぞれの農園のオーナーにコーヒー生産の作業工程や自然保護、労働環境などさまざまな取り組みを説明していただきました。
あらゆる取り組みを挑戦したり失敗したり、試行錯誤を繰り返しながらやっている、みなさん誰もが真剣に全力で取り組んでいる姿は、当たり前のことだけれど、それぞれに熱い想いと物語がありました。
山の暮らし
農園地帯は山奥にあり、普段から山が身近にあるところに住んでいる自分にとっても山奥すぎて圧倒されるほどでした。しかもその山奥に人の暮らしがあるということ。
山の中なのに常に人がいて、店があり、暮らしている。ただただ暮らしがありました。洗濯をし、仕事をし、子供たちは外で遊びまわり、そんな暮らしの原風景のようなものがありました。
なぜかその風景が良く感じました。たいへんだけれど純粋な暮らしがある。外で遊んでいる子供たちはみんな、大人の手伝いをしていて、その隙をみて遊んでいる。決められた場所で決まった遊びをするのではなく、自由を探して自由を見つけて遊ぶ。だから遊びっておもしろいのではないか。
地域では町や村という括りではなく、コミュニティという括りで呼ばれていました。
ここに来てその意味がわかりました。町や村ではなく、親戚とか家族のような関係。暮らしはコミュニティで成り立っているように感じました。
大切な言葉
農園訪問の最終日、別れ際にFamilia JimenesのNeryさんが声をかけてくれました。
「こんなに山奥の自分たちの農園に遠いアジアの人が来るなんて考えてもいなかった。コーヒーをつくり続けていて、本当に良かったと思っている。」
「世界の遠く離れたところで自分たちのコーヒーが飲まれて喜んでくれていると思うと、もっともっとがんばりたいと思った。」
日本を出発する前にグアテマラに行く理由をずっと考えていた自分にとって、この言葉は深く心に響きました。
エネルギーをなるべく使わずに、近くにあるものを活用して暮らしていくことも大切なこと。しかし、遠く離れたところにも人の暮らしがあること、その人たちの暮らしが自分の暮らしを豊かにしている、大きなエネルギーとなっていること。
やり残し
グアテマラのウエウエテナンゴでコーヒー農園を訪れて、やり残したことがあります。
それは自分たちがコーヒーのおかげでどれだけ世界が広がったかということを伝えられなかったこと。コーヒーを通してたくさんの人に出会い、たくさんの体験をし、たくさんの学びがあること。
次に訪れた時は自分の言葉でそれを伝えたいと思います。
Yoshi
Sproutのオーナー