カトマンズで開催されるコーヒーイベント「Bistarai Bistarai Coffee Festival」の前日、日本から出店するメンバーでアミットさんのコーヒー農園を訪れた。
特別な歓迎
前泊していたドゥリケルから車で3時間以上。
この3時間がほぼ未舗装の道。
途中雨で崩れていたり4駆の車でもなかなか登れない坂があったり、標高差が1000mほどのかなりの悪路で急峻な渓谷を二度越える。
途中には村があり人々が暮らしている。
アミットさんの農園がある場所はチャンブランベッシという街の近くで、カブレというエリアになる。
標高は1350mほど。

到着するなりみんなが表に出てきてくれてマリーゴールドのリースを首にかけて歓迎される。
家の中に招かれヤギの肉を使ったダルバートとヤギのミルクをご馳走になる。
シンプルな味でとても美味しかった。
ここはほとんどが自給自足なのだそうだ。
ここに来るまでの悪路を考えると物資を運ぶもすごいたいへんなことなんだということが簡単に想像できる。だから、自分たちの必要なものは自分たちで作っている。食生活も必然的に野菜が中心になり肉は特別な日のご馳走だ。
僕たちは貴重なヤギの肉で大歓迎されたのだ。

ふかふかな土
昼食の後に農園を案内してもらった。
柔らかくふかふかな土。虫や鳥もたくさんいる。
一定の間隔で木が植えられているのに巨大な農園のように整理されすぎていない。
コーヒーの木と日陰をつくるシェードツリーだけでなく、他の草木も生えていて自然な感じだ。
農薬を使用せずに自然の力でオーガニックで育てているからだろう。多様に溢れる生き物の中で育ったコーヒーは自分の力で育つ力を持つ。

視点を変えてみるとこの地域はすべてがオーガニックだということに気がつく。
食事に使われる野菜、食べ物や飲み物だけでなく、新しくできた乾燥施設で柱や骨組みで使われている木材も、山で折れた木を使ったり、また衣類の洗濯などでもいえる。
オーガニックということを特別意識しているわけではなく、生活の知恵を使って自然にやっていることだ。

Give back to society
「Give back to society」とはアミットさんが掲げるテーマのひとつだ。
自分たちがコーヒーで得たハッピーを社会に返すということ。
東京でネパールのコーヒー専門のYETI COFFEEをやる。ネパールのコーヒーを世界中の人に飲んでもらう。
ネパールのコーヒーが盛り上がっていくことで、農園の近くに学校や道路ができたり、地域の人たちの暮らしが良くなる。

僕らはアミットさんの想いに共感して今ネパールにきている。
実際に訪れるとその想いが本気であること、カタチとなって表れはじめていることを実感する。
そして、それを実践しているアミットさんはすごく楽しそうで、コーヒーが本当に好きなんだということが伝わる。
それに共感して日本から集まったメンバーやネパールの関わっている人々も本当にいつも笑っていて楽しそうだ。

ニワトリが先かタマゴが先か
「得意とすることで誰かに喜んでもらう」とはCamp&Goのテーマで、アミットさんの「Give back to society」と根本的には同じ考えだ。
グアテマラやコスタリカを訪れ、自分たちが生産地の人たちにできることを考えている。生産者・提供者・消費者そつなぐ「さんかくらいふ」もその想いからきている。
しかし、なかなか実行に移すことは難しい。つい複雑にしてしまったり、自分たちのことばかりを考えてしまったり、損得を考えてしまう。
「みんなが喜ぶことで自分も嬉しくなる」
「自分が喜ぶことでみんなも嬉しくなる」
一見同じように見えるが、大きく違うように感じる。
コーヒーの生産地を訪れていつも心地良く感じ、気持ちがきれいになるのは、その地域に人々にそんな空気感があるからなのかもしれない。

「みんなが喜ぶことで自分も嬉しくなる」
僕らもそんな気持ちを持って暮らしていきたい。
自分たちにとっての「Give back to society」を実践していきたい。

Yoshi
Sproutのオーナー
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