2021年7月。僕らが運営するSTRIDE LAB NISEKOの店づくりが動き出した。

あれから2ヶ月が経過した今、ようやく振り返ることができるようになった。それくらい心にゆとりがなく、必死で、ただただ楽しいお店が作りたいという思いだけで動いた。実質2週間ほどで全ての内装工事を終え、無事にオープン迎えることができたのだけれど、この2週間でみんなで力を合わせて一つの目標に向かったこと、みんなの個性はバラバラだけどそれが合わさり一つになるととても大きな力になるのだということ、濃密な時間はとても大きく、今後の人生にも大きな糧となるはずだ。

コンセプト

どんな時でもまずはメモや絵を描くことから始まる。
それはSTRIDE LAB NISEKOの店づくりも同じだった。
店づくりのコンセプトは「トレイル」羊蹄山とニセコ連峰の間を通るトレイルで、その脇には手で触れてみたくなるような草花や木、石などがたくさんある。草花や木、石はシューズやウェアなどの商品だ。
タイミングよく知床連山縦走に行くことができ、みんなで実際に山に行きトレイルを歩くことでイメージを共有することができた。

想いを受け継ぐ木

リゾート開発で地域の森が整地され、木々が無残に倒され捨てられてしまうということを聞いた。
夏は緑いっぱいの森が秋には黄色や紅に変わり、雪深い厳しい冬を越して、春には春紅葉といわれる新緑前の鮮やかな色も見せてくれる。そこには虫がいたり、山菜やきのこが取れたり、おいしい水や空気も作ってくれている。そして、たくさんの人の目にとまり元気を与えてくれている。時が経つとそこにあったものは忘れてしまうものかもしれない。けれど、当たり前にあった優しくて目には見えにくく分かりにくい自然からの力は、なくなってから気がつき、気付いた時にはもう手遅れになってしまっている。
お店の中にある丸太はニセコグランヒラフスキー場の近く、GentemStickのニセコショールームの隣のところからいただいてきたものだ。分かりにくいけれど、その存在から先人たちが見てきた景色とこの地の魅力と置いてある商品に対しての本質を感じて欲しい。

作業開始

作業はみんなで行った。みんながこの店を「自分の店」と思って作業した。
Camp&GoのキャンパーたちやSPROUTにコーヒーを飲みにきた常連さんも手伝ってくれた。
完成された店づくりではなく、自分たちの「いま」を表現する。できないことやはじめてのことにもチャレンジしたり、その人のやりたいことをやってみる。細かいところはたくさんあるけど、みんなで楽しく作り上げた空間は、他にはない物語のあるオリジナルな場所だ。

店づくりはつづく

詰め込んだ作業もいよいよ大詰め。
商品が配置され、お店っぽくなってきた。
商品をディスプレイしながら、研修期間を振り返り、ひとつひとつの製品づくりや商品に対する想いを感じていた。僕らが内装に込めた想いとものづくりの製作者が製品に込めた想いは、どこか繋がるものがある。僕らのお店はただ商品を販売するのではなく、想いを伝えるお店なんだということ。製品がどんな想いで作られたのか、どこにこだわりを持っているのか。購入した人はどんなシチュエーションで使用するのか。使用した感想、経過。お店というのは想いを繋ぐ手紙のような存在なのかもしれない。
僕らの店づくりは製品の進化、お客様、そして自分たちの成長とともにまだまだ変化し続ける。