4月7日をもちまして、SPROUT HANAZONO店の冬シーズンの営業を終了しました。
今シーズン、地元のローカルのみなさんから、スキー場で働くで働くみなさん、日本だけではなく、世界中からニセコの雪を楽しみに来てくれたみなさん、たくさんの方にSPROUT HANAZONOにお立ち寄りいただきました。
本当にありがとうございます。
今シーズンがんばってくれたスタッフたちからの感想を掲載します。
【新しい世界、成長の冬】Hitomi Mori
トロント留学も終わり日本へ帰国後なかなかやりたい事が決まらず東京で短期のアルバイトをしてみたり、北海道に短期間帰省したりとのらりくらりしていました。
ある日、母の知り合いでSPROUTのスタッフでもある、えみさんの紹介で冬季スタッフを募集していることを知りました。
後から聞いたことなのですが、私が応募した頃にはスタッフは既に決まっていたとのこと。しかし急きょ空きが出たということでこの冬SPROUTのメンバーとして働くことが決まりました。もしかしたらこれは運命だったのかな?笑
今まではコーヒーはたまにコンビニで買ったり、友達とカフェに行った時に飲むくらい。とりあえずラテを頼めばいいかな、というかいろんな種類があるけどよくわからない。コーヒーなんて苦いだけじゃないの?という感じで私にはほど遠い存在でした。
そんな私がSPROUTで働くことに。こんな私が働いていいのかな?本当に何も知らなさすぎる、、、と最初は不安でいっぱいでした。
そんな私も今では先輩方のおかげで少しずつコーヒーについて知識がついてきました。コーヒーはコーヒーでもフルーティーなもの、ボディー感のあるものなど焙煎方法や産地によって個性がそれぞれ出てくるということなど。そして今では作るのにも自信がついていきました。(クオリティは別として笑)
SPROUT HANAZONO店で働くということはとても不思議な感覚で日本にいるのにお客さんはほとんど外国人。日本語はほぼ伝わらない。そんな状況がとても新鮮で興味深くて、この地域で生まれて22年にして新しい発見でした。そして今までで最高の冬でした!
コミュニケーションを取るのは決して得意な方ではないけれどお客さんの話を聞いたり、他のスタッフと話しているのを聞くのが単純に楽しかったです。世界中の人々がニセコに集まり、人と人とが繋がっていく、それをコーヒで繋ぐ。なんて素敵なことなんだろうと思いました。そしてそれをSPROUTで体験できたことが何よりもこれからの人生の糧になったと思います。
4月からは東京に戻るのですがこの経験を大切に次のステップへ進んでいきます!
濃い4ヶ月間ありがとうございました。
SPROUTをこれからもよろしくお願いします!
【グローバルとローカルと】Nozomu Ikeda
ニセコでの2度目の冬を迎えるにあたって何か新しいことにも挑戦してみたいと思い、以前から何度か遊びに行っていたSPROUTでコーヒーの世界とアウトドアの世界を少し覗かしてもらうことになりました。
HANAZONOスキー場のSPROUTでは、さすが世界が注目するニセコ、世界中からのたくさんのお客さんにコーヒーやパン、お菓子を提供しました。カウンター席の壁に貼っていた大きい世界地図にも、日を追うごとにたくさんのお客さんがそれぞれの出身地の国や地域にシールを貼ってくれました。大量に貼られたシールを見ると、スキー場の内の一角のちょっとしたスペースが世界中どこまでもつながっているような不思議な感覚がしました。それと同時に世界中の人が自分が淹れたコーヒーを飲んでいると思うと、もっとおいしいコーヒーを淹れるようになりたいという目標もできました。
また、いつも来てくれる地元の方達やスキー場内で働くスタッフ、SPROUTのスタッフとの日々の交流もこの冬の思い出になりました。雪のこと、山のこと、温泉・サウナのこと、アートのこと、音楽のこと、旅のこと、美味しいもののこと、もちろんコーヒーのことも。みんなが自分の好きなこと、楽しいことを共有して、そしてみんなで楽しむ。なかでも今シーズン最後のパウダーデーだった3月中旬の日、滑り終わってコーヒーを飲むみんなの満足したいい顔が見れた時は、それを見ている自分もなんだか幸せな気持ちになったのを覚えています。
自分はこの春からニセコを離れることになったけど、それでも待ってるよ、また会おうと言ってくれるあたたかい人達にSPROUTで出会えてよかったです。また会いましょう!
【 愛に溢れるSPROUT 】Riri Imai
倶知安店には、朝に淹れる華やかなドリップコーヒー用の豆を買いにいくファンで、お店のゆったりとした暖かい雰囲気も好きです♡そんな大好きなカフェでの採用は私にとってウキウキ!とても嬉しいものでした。
SPROUT HANAZONO店は、私が今まで働いてきたカフェとは雰囲気が何やら違いました。いらっしゃいませ、ありがとうございます、またお待ちしております。その淡々としたやり取りではありません。朝には顔なじみの海外スキースタッフが仕事前にやって来て、おはよう元気?楽しんで仕事も頑張って!昼には一滑り終えたスキーヤーが満足気に、パウダー食えた〜、いい日だったよ!お腹空いたからマフィンとラテよろしく!夜には、お疲れ様、今日一日どうだった?
山の話、スキーの話、皆の日常の話、なんでもないジョークだけ言い合ってくときも笑
SPROUT HANAZONO店は、ゲストとスタッフがお互いに元気を与え合う素晴らしい場所でした。SPROUTのコーヒーが好き、スタッフと話すのが好きなリピーターも多く、スタッフも誇りを持って楽しんで働いている、愛がたくさんのカフェだなと感じました。
そしてSPROUT HANAZONO店のスタッフのみんなと働いた日々は、私にとてもいい刺激を与えてくれました。お客さんとの築く関係もそうですが、誰が何をオーダーするかの記憶力、スタッフ同士の連携、気配り、思いやり。
今までの職場でベストと言えるくらい、とても居心地のいい、多くの学びも与えてくれた素敵なカフェです。
ここで働くことができたことに、本当に感謝しています。
この春にはオーストラリアへワーキングホリデーの予定で、本場のカフェで知識と経験を積む計画なので、SPROUTでの日々はとてもいいステップになりました。たいへんお世話になりました。
またここにいつの日か、SPROUTに帰ってきたいです。
【 続けることでしか見えてこないもの 】Guyichiro Yoneyama
SPROUTに出会い、ニセコで働き始めて二年目の冬が終わりました。
全てのことがはじめてだった一年目は、コーヒーをつくることもテレマークスキーでターンをすることも驚きや挑戦の連続で、とにかく楽しさいっぱいでしたが、二年目はいろんな壁にぶち当たった年でした。
とりあえずコーヒーをつくれるようにはなった。とりあえず斜面を滑れるようにはなった。じゃあその先で、自分には何ができるのだろう、何がしたいのだろう。コーヒーやスキーを通じて伝えたいこと、目指したいものはなんだろう。
所詮自分は二年生。コーヒーの美味しさを伝えていくことも、大斜面に思い切りターンを刻むこともまだまだ遠い未来に思えてしまい、へこむ時もありました。本当の意味でバリスタ・スキーヤーになるためには、地道に続けていくことでしか乗り越えられない課題がたくさんあることを知ったのです。だからこそ、一つのことを何年・何十年と情熱をもって続けている人たちのことをとても尊敬するようになりました。
この冬自分が特に取り組んだのはラテアートでした。ミルクの温度帯やツヤを安定させるスチームを心がけ、カップに注ぐ練習をたくさん行い、数種類のアートを少しずつ描けるようになってきました。きれいなラテアートが描けるとお客様も喜んでくださることが多く、そこから笑顔やコミュニケーションが生まれていくことを嬉しく思いました。
そして接客。SPROUT HANAZONO店には国内外からたくさんの人々がやって来ます。人種や言語、文化が違う方々と接する中で、時にはお互いの思うようにコミュニケーションが取れず、自分の気遣いや英語力の不足を感じる場面が多々ありました。それでも、お客様にとっては最初で最後かもしれないニセコでの時間。SPROUTのコーヒーを少しでも楽しんでいただけるように、一人ひとり、そして一杯一杯にていねいに向き合うことを忙しくても最後まで続けた結果、日本で生まれ育った自分の価値観が少し広がった感覚があります。
振り返ってみれば、一年目にはできなかったことができ、見えなかったことが見えてきているように思えます。スキーにおいても、自分たちだけで山を登り、好きな斜面を選んで滑る経験が今シーズンついにできました。コーヒーやスキーとの自分らしい関わり方はまだうまく見えていませんが、少しずつでも続けていくことで見えてくるもの、繋がっていく道があると感じています。
この一年でニセコローカルの子どもたちは背がどんどん伸び、顔つきや言葉遣いも少しずつ変わってきました。新しい命も生まれ、一年で人は大きく変わっていくことを目の当たりにしています。それは大人になった自分たちも同じなのかもしれません。SPROUTで過ごした今シーズンの経験に胸を張って、これからも生きていきたいと思います。ありがとうございました。
【 温かいコーヒーから、何を伝えられただろうか。】Chin(SPROUT HANAZONO Manager)
日常生活とは少し距離のある、ゲレンデという特別な場所でコーヒーサーブをする私たちの冬が無事に終わりました。
この冬は、多方面から世界の情勢の変化を感じることに。スキー場や近郊の施設を利用する客層の変化、言語の壁、天候の影響や予期せぬイレギュラーなどが起きました。けれどそれは、最後に笑ったんなら万事OK!の精神を養う良いきっかけになりました。
シーズンの始まりの頃、私は後輩たちが成長できる環境を整えられているか不安を感じ、2年生としての責任感で潰れそうになっていました。
なぜなら、SPROUTが扱うのはスペシャルティコーヒー。
豊富な種類の原産国の違いによる味の違い等を、働きながら知るチャンスです。が、短期間でクオリティーを安定させた美味しいコーヒーを淹れる技術や販売知識を培わなければならない。店頭に立ち働く以上、どのスタッフもプロとしてみられる。という観点から、勉強や練習の時間が充分か常に緊張していました。
そして、独りで勝手にお店やこの子たちを守っていかなければならない。と焦り、自分のキャパもわからずコーヒーへの熱意も持てずに空回りしてました。
けど、SPROUT HANAZONO店のスタッフたちと働いていくにつれ、私は教える側の立場だったはずなのに、日々邁進するみんなの姿や、仕事に対する向き合い方や考え方、相手を思いやる気持ちなどを教えてもらう側になっていました。
忙しい時期も楽しく乗り越え、笑い合いながら仕事を進められたのは皆の温かさが不可欠でした。「挑戦しているからこそ、今まで感じた事のない気持ちや出来事も当然の副産物である、進もう。」と、踏み出せた事も。
よくできた子たちに恵まれた私は感謝しかありません。
花園エリアはこれからも開発の手が入り、10年前には知り得なかった姿へ変わっていきます。もちろんスキー場だけではなく、倶知安町全体も今までにない発展をしていくはずです。今後更に忙しくなる中で、地元や地方からSPROUTに来てくれる人たちの「ここで飲むコーヒーと、ゆったりと過ごす時間が好きだ!」と言ってくれる気持ちを、どのように守っていけるか。と、考える必要性を見つけた気がします。
目紛しく過ぎる雪の日も、きっとまた訪れたます。その時は、みんなが気づかせてくれた「温もり」を思い出そうと思います。「これは淡々とコーヒーを手渡す行為ではなく、マグカップから感謝の気持ちや沢山の想いを伝えている。この手から温もりを、手渡している!」という事を忘れずに大切にしていきたいです。
時既に、季節の移ろいを感じる今年。
足早な初夏を感じながら、GWからグリーンシーズンの営業を始めます。
新緑に包まれるゲレンデで、短い夏を楽しみたいと思います。
Yoshi
Sproutのオーナー
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