幼い頃からお茶を習っているスタッフがお茶会を開いてくれました

必要な音だけが聞こえる

ある朝、SPROUTのカフェでコーヒーを飲みながら仕事をしていたときのこと。
エスプレッソを抽出する際の一連の作業でポルターフィルターをノックボックスに当てる音、グラインダーでコーヒー豆を挽く音、エスプレッソ抽出の際に圧がかかる機械の音、ミルクスチームの音、それらが心地よい音楽とお客様の会話の中に聞こえ、その音たちがとても美しく聞こえました。
その後もコーヒーに関わる音が店内に響き、とても心地よい空気が流れていました。

音と重さ

スタッフのひとりに幼い頃からお茶を習っているスタッフがいます。
コーヒーを淹れる際の所作がとてもきれいで、お茶での経験が活かされているのではないかと思い、話を聞いてみました。

「音のしないものは音をたて、音のするものは音をたてない」
「軽いものほど重々しく、重いものは軽々しく」
「お茶は五感すべてで提供するもの」
これがお茶の動作の基本といいます。

扉の開閉時のバタバタとする音や、洗い物をする際のガチャガチャとした音、歩くときの足音、ひとつひとつの動作を丁寧にやると音はしない。
こうしたお茶のひとつひとつの厳しい型には、すべてお客様に「お茶を愉しんでいただく」ということにつながります。

雨の日は雨を聞く

お茶は「今」「ここ」に集中するものでもあります。
過去に縛られず、未来を考えすぎず、今目の前のことに集中すると、梅雨の雨、豪雨、秋に落ち葉にあたる雨、同じ雨でも違う表情の雨があることに気づくことができます。
「雨の日は雨を聞く、心も体も、ここにいる。五感を使って、今を一心に味わう。そうすればわかる。自由になる道は、いつでも今ここにある。」

お茶会

お茶会では所作だけでなく、さまざまな種類のお茶を愉しませてもらえました。
さらにお菓子や器も愉しみ方はたくさんあり、そのひとつひとつが招いたお客様が喜んでいただくためにあるということも知ることができました。
お茶会を体験したことでSPROUTでのお客様に喜んでいただく空気感がより現れていけたらと思います。

ありがとうございました。