Hervazú
-Antonio Barrantes (Toño)-
マイクロミルの先駆者
ウエストバレーのナランホの標高1500mの高台に位置する「エルバス」は、周囲のみんなからトニョさんの愛称で親しまれているアントニオ・バランテスさんのマイクロミルだ。
2001年に建設され、マイクロミルの先駆者でもある。
トニョさんは小学校卒業からこれまで45年間コーヒーの生産に携わっている。
ウェットミルはきれいな状態に保たれ、見晴らしの良いパティオは風通しの良さを感じ、ビニルハウスの中にあるアフリカンベッドはあらゆる気象条件でも保管状態を一定にできる気配りが感じられる。

SL-28とTypica Toño
トニョさんは2001年にマイクロミルを建設をした後、5年後にSL-28の栽培に着手し、SL-28の栽培に悪戦苦闘しながらも2015年にはCOEで優勝を果たした。
その後もさまざまな品種の栽培と高品質のコーヒーづくりに取り組んでいる。
特にティピカはその品質の良さから「ティピカ・トニョ」というオリジナルの呼び名が通じるほど、そのこだわりと品質の高さは知られている。
また、ビジャサルチはエルバスの代名詞ともいえる品種だが、エルバスのあるナランホ地区の近くのサルチー村で1920年に発見されたのがはじまりで、エルバスではトニョさんのお祖父さんのレオンシオさんが農園に植え栽培してスタートした。

ビジャサルチ
SPROUTをはじめて15年が経つが、その当時の記憶ははっきり覚えている。
エスプレッソマシン設置の日にマシンの代理店の九法さんと札幌の横井さんが、猛吹雪の中、車を運転して「コスタリカ エルバス ビジャサルチ」を抱えて来てくれた。
九法さんが設置してくれたエスプレッソマシンに横井さんが調整してくれたエスプレッソで、その時に初めて飲んだコーヒーの感動は今でも忘れていない。

15年後の再会
トーニョさんが昨年にマイクロミルの隣に建設したカフェスペース。名前は「レオンシオ」。
「レオンシオ」という名前はビジャサルチを最初に植えた農園でトニョさんお祖父さんの名前からつけたもの。
生産者のトニョさん自らが淹れてくれたコーヒーを飲む機会に恵まれた。何のコーヒーを淹れているのかを聞くと「ビジャサルチ」という。
15年の歳月を経て、初めて関わらせていただいたコーヒーとの再会は生産者のトニョさん自らが淹れてくれたコーヒーだった。

人と人とがつながっていくと、予想もできないような奇跡をもたらせてくれる。
地球の裏側で作られているコーヒーはそれが世界規模で時空を超えて起こる。
今、飲んでいるコーヒーも何十年も先に大きな奇跡となって返ってくるかもしれない。


Yoshi
Sproutのオーナー
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